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可南子ちゃんについてfrom「マリア様がみてる 特別でないただの一日」(1)

可南子ちゃんの家族についてのお話は、深刻な話題、生々しい話題として議論も起こっている話ですが、私なりに推測したことを書いていくことにいたしましょう。
ずっと気になっているのが、彼女の家庭環境で、その中でも忘れられがちな、お母さんのこと。これを考えてみましょう。
可南子ちゃんのお母さんについて、本文にある推測を可能にさせる情報は少なく、しかも散らばっていて、短い。だから、なかなか気づけないことなのかもしれません。それをできるだけ拾うと、これだけになるでしょうか。
(1)可南子「来ないかもしれないけれど、一応母の分だけは取っておかないといけないから」(P.104, l7)
 参照:P.108~109の祐巳と祥子さまのやり取り「ええ、一応ね」
(2)可南子「一緒に暮らしていたときは、お母さんに朝から晩まで働かせて」
(3)可南子「お母さんが毎晩お酒に逃げるのも」
(4)可南子「私だってわかっていたわよ。お母さんが働いていたのは、仕事に生き甲斐があったからだってことくらい。育児のために仕事を辞めたくない、って希望をお父さんが叶えてあげた、ってことも。」
(5)可南子「お父さんが家を出ていったのも、お母さんが仕事のストレスをお父さんにぶつけたから。このまま一緒にいたら、互いに傷つけ合うだけだって考えたから、距離を置こうとしたのよね」
(6)可南子「お母さんには悪いけれど毎週会えるのがうれしかった」
(7)可南子「お母さんから正式に離婚するって言われて」
2~7はすべて、P.160~165の保健室での話。
(8)可南子はリリアン女学園に通っている
 状況証拠。

ここから次のことを推測します。
(a)(8)私立女子高の学費を払えるということは、お母さんは一人で働いてかなり稼いでいるはずです。成績優秀者の優待があるか、一人親に対する保護があるかどうかなどで変わってきますが、一緒に暮らしていた時期には家族を養うだけ稼いでいたことは間違いないでしょう。仕事が生き甲斐であるほど仕事が好きな上に、外に出て働く人としては優秀なのではないかしら。
(b)仕事が好きで優秀である一方、家族、家庭については、十分に顧みる、十分に運用できる人ではなかった可能性があります。(2)「朝から晩まで働かせて」を別の面から見れば、「一日中働いていて忙しく、家にいないことのほうが多い」となりましょう。これを(1)「来ないかもしれないけれど、一応~」という可南子ちゃんの言葉が裏付けるかと思います。
(c)これは、優秀で忙しい、外に出て働く人としては致し方ない面がありますが、お母さんは(b)に加えて、仕事のストレスを家庭に持ち込み、家族に当たってしまうようです。それは今でも変わらない様子で、可南子ちゃんが高校1年生現在お母さんと同居しているかどうかははっきりしませんが、それは(3)「毎晩お酒に逃げる」ことから推測できます。同居しているとなると、可南子ちゃんは(「毎晩」は誇張でしょうが)お酒に逃げ、くだを巻くお母さんに付き合っているのかもしれません。
(d)一緒に暮らしていたときのお母さんのお父さんへの態度は、家を守っている立場にあったお父さんが、彼の精神的耐力にもよりますが「出て行ったほうがいい」と判断するほど、ひどかったと推測できます。一方のお母さんのほうは、(6)お父さんが中学時代のバスケ部の特別コーチになり、お父さんに毎週会うことができるようになった可南子ちゃんが、「お母さんには悪いけれど(うれしかった)」と感じるということは、夫婦仲はお父さんが出て行く以前から冷え切っていたというか、お母さんのほうがお父さんを追い出した、嫌っていた可能性があります。
(e)しかし、「正式に離婚」するまでに時間があったのはなぜなのか、今のところわかりません。可南子ちゃんのことを考えたのか、世間体を気にしたのか、まるで情報がありません。しかし、世間体を気にするなら、あのような形での離婚&夫と教え子との結婚を許すのでしょうか?世間体を気にするなら、隠し通して、夕子先輩の妊娠が判明した時点で…ごにょごにょ。

しかし。そう推測すると、可南子ちゃんはかなりきつい状況で小学校~中学校時代をすごしたことになりますね…どうやって耐えられたのやら…もしかしたら、不登校だったという可能性もあるかと考えています。そして、状況を抜け出す、状況を忘れるために勉強に没頭し、(勉強に手がつかなくなるどころではなく)成績が上がっていったのかも。
家族のゴタゴタから受験勉強に逃げることもあるのです。
可南子ちゃんは中学時代はバスケ部にいて、そこで精一杯活動し、それこそ没頭し、夕子先輩に出会い、心酔していたという推測も、(6)から可能です。その後、スキャンダルから部にいられなくなり、お母さんと一緒にいるのも苦痛で、勉強に、さらにはリリアンに逃げたという可能性もあるわけです。
ここからの話はこの次に…

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コメント

はじめまして。
可南子が「勉強の出来る子」だった理由ってのは、恐らく母親がある程度教育ママ的だったと推測する一方、この子は恐らく潜在的にはお父さんっ子だったのに、家で「いい子」を演じるために(恐らく母の影響で)勉強に励む部分が強かったのかな、ということを想像します。
家族が危うい状態になっているような場合、ある程度余裕のある子が過剰適応的に「いい子」を演じて家族を支えようとする、ってのは結構よくあると思われますので……。
一方で、中学でのバスケ部での活動ってのは、ある種不正的な母の目を逃れる秘め事みたいな部分で彼女にとっては大事な空間だったのだろうな、と。またそのなかで夕子に対しては
「本当は得られなかった理想の母」
的な幻想があったのかも、みたいなことも思ったり。

あと余談ですが、実業団だったらケガで引退くらいだったら仮にも元全日本レベルの選手ならそのまま工場ででも雇うだろうに、クビにしちゃうとはこんなご時世とは言え世知辛い会社だなぁ、なんてことを思いました >可南子父の会社
強いて言えば、一番悪いのはこいつら、ってことで(笑)。

投稿: 有芝まはる(ry | 2004年10月 7日 (木) 16時51分

×不正的→○父性的
です。

投稿: 有芝まはる(ry | 2004年10月 7日 (木) 16時54分

はじめまして。コメントありがとうございます。
私もその可能性は濃厚だと思います。だからこそ、彼女にとって、リリアンに通うことができていることと、薔薇の館に出入りするようになったことは、大きな意味があると思っております。
それから可南子父ですが、「クビになった」のではなく、「辞めた」のかもしれないな、とも推測します。妻を支える目的があっただけでなく、競技生活を続けられないことに耐えきれずに。
詳しくは、本文の方でさらに推測していきたいと思いますので、今しばらくお待ちください。
「マリみて」は、それぞれの話題を取り上げると、それだけで相当深い部分まで取り扱えることが多いのが、一つの魅力ですね。可南子ちゃんのことに関わるもので言えば、山辺氏と江利子様のこと。それから、加藤景さんのこと。祥子と父のこと。

投稿: 冬紫晴(管理者) | 2004年10月 8日 (金) 04時19分

捜査並みの細やかな証拠収集お見事です。確かに、わずかな説明文でも細川家の生活状況が充分想起できる情報が込められているのだと受け取れました。
私の場合、まず基本として祐巳視点を押さえようという感じで一読、そこから瞳子・可南子などの人物へ視点を移していくという方法をとっています。理由は、地の文でキャラクタの自己言及的な視点まで詰め寄った描写は祐巳に特有だからです。
そのため、日記の感想は祐巳視点固定ですが、このほかの自分の受け取り方はコメントであちこちに散ってしまうと都合が悪いので、自分のところに書くようにします。冬紫晴氏ほど長く書き切れませんが(苦笑)。

投稿: then-d | 2004年10月10日 (日) 21時23分

then-dさま ごきげんよう。
私の場合、座右の銘にあんなものを挙げるほどに、とにかく様々な方向から見てみたいという気持ちが強いんですよね。最近特に。そうしてみると、マリみては面白いことがいろいろわかってきます。作者はおそらく意図的に、一人称視点によって隠される部分があるということを使っています。だから、別のところから見ると?と言う方法のおもしろさがあります。
それから、「特別な〜」には、「表面的」「内容が薄い」ために「つまらない」という評価があるのですが、それはたぶん、とっちらかったせいだと思います。つまり、情報をたくさん入れるために圧縮して、微調整している間に極度に断片化した。だから、デフラグが大変で、処理が追いつかないと情報読み込みに重大なエラーが起こると…
そんな気がします。

投稿: 冬紫晴(管理者) | 2004年10月14日 (木) 05時47分

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