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2004年11月の投稿

マリみて・可南子ちゃんのこと(4)可南子ちゃんTT

前回コメントをいただいたくりくりまろんさまのブログくりくりまろんのマリみてを読む日々でも少し話題に上がった、ワトソンさまのマリみてTTに書いた、次子ちゃん誕生までの経緯の推測をここでも紹介しようと思います。

可南子中1(夕子中3)
すでに可南子ちゃんの両親は別居状態。この年、可南子父バスケ部臨時コーチに。毎週、可南子(&夕子)の学校に来ることになる
(よって、可南子ちゃんはバスケ部にいた可能性は濃厚)

可南子中2(夕子高1)
4月頃 夕子交通事故で負傷
5〜6月頃 夕子全治するも、バスケをやめざるを得なくなりリタイア
7〜9月頃 夕子、可南子父に電話、以後会うようになる
10〜12月頃 詳細不明。「夕子×可南子父」成立時期と思われる
この年、夕子高校退学?
可南子両親正式離婚、可南子父と夕子結婚?(この年でも可)

可南子中3(夕子高2)
1〜2月頃 夕子妊娠
2〜4月頃 妊娠発覚
可南子、両親の離婚およびそこにある事実を母から聞かされる(この間と推定される)
可南子両親正式離婚、可南子父と夕子結婚(この間と推定される)
9〜11月頃 次子誕生
この年に夕子高校を退学、可南子父帰郷し家業の農業を継ぐ

可南子高1
4月 可南子リリアン入学
10月 学園祭で3人再会

次子ちゃんの存在を可南子ちゃんが知っているには、結婚前の発覚の必要性が高い。しかもその場合、「勝手に祐巳のボディガードをしていた」という可南子ちゃんの行動に強い動機が生まれます。
ただ、乳児の発達(成長)には大きな個人差があるため、見た目だけで「1歳になるかならないか」というのは範囲が広く、少なくとも前後2〜3ヶ月の幅があります。可南子父の遺伝子を受け継いでいると、見た目よりずっと幼いかも・・つまり、その月齢にしては「でかい」ことも考えられます。

計画外の婚前妊娠の可能性は高く、やはり、夕子先輩と可南子父の「軽率」および、可南子父の「年長者としての頼りなさ」は、はずれではないでしょう。
さらに可南子ちゃんには過酷な仮定も可能です。それは、夕子先輩と可南子父の関係がすでに確定し、可南子父ー母離婚協議中、可南子父ー可南子母ー夕子先輩の三角関係がごちゃごちゃして決着が長引く間に、なし崩し的に妊娠、という可能性です。
この三角関係に一応の決着を見るまでの経緯はミッシングリンクになっています。
ここで、可南子ちゃんのセリフを詳しく見てみると。

「聞いたわよ。お母さんから正式に離婚するって言われて原因を聞いて、私信じられなくて」pp.165

気になるのは「正式に」および「原因を聞いて」という言葉です。
夕子先輩の妊娠はあくまで「正式に離婚」したきっかけとしてしか機能していない口ぶりで可南子母は話しているような気がします。それまでどのような理由で、父母どちらがぐずっていたのかはわかりませんが、長年ほぼ絶縁状態であったにもかかわらず離婚しないというのは、「ワケあり」の印象があります。
また、正式に離婚すると聞かされるまで、可南子父×夕子先輩という事実すら可南子ちゃんは知らなかったのではないか、と言うことです。両親離婚の原因を可南子ちゃんが訊ねたとき、可南子母が「お父さんが夕子先輩をはらませた」なんて伝えたとしたら、世界が崩壊しますよ。そりゃ。しかし、このセリフからはそのような状況の可能性も少なくないわけです。

いずれにしても可南子ちゃん過酷な環境でよく頑張ってきたよねえ。祐巳にしたことは悪いことだけど、祥子様に本気になって注意してもらえて良かった。

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マリみて・可南子ちゃんについて(3)可南子ちゃんと祥子さま

2004年NHK杯フィギュアスケート女子シングルフリー演技で、荒川静香選手の演技が終わって実況アナウンサーの一言が面白かった。「エレガントな凄みといいますか……」エレガントな凄み。祥子様のようです。

それはともかく、長らくほったらかしにしてしまった、可南子ちゃんのこと。
祐巳と可南子ちゃんの会話ですが、「涼風〜」では、可南子ちゃんは祐巳の話を全く聞いていないですよね。会話をしているつもりで、彼女はずっと会話になることを回避し続けているように感じます。それが、あの温室でのやりとりでも、その前の薔薇の館の時も、購買部での時もあるのです。可南子ちゃんが祐巳と初めて会話として成立しうる会話をしたのは、彼女が祐巳から逃げるようになってから…つまり、「レディ・GO!」以降のようです。

最初に可南子ちゃんが祥子様と正面から接したのは、「涼風さつさつ」での温室でした。それ以前では、可南子ちゃんは祥子様から逃げるようにして接することを避けていましたが、このときには祥子様が可南子ちゃんの前に立ち塞がって、逃がさなかった。可南子ちゃんは逃れられなかった。このときの二人のやりとりをよくよく吟味してみると、どうも違和感があるのです。

(4)一喝された可南子ちゃんの反論の声は、最後まで聞かれなかった。/祥子様が身体を通路の脇に寄せて人ひとり通れる空間をつくると、可南子ちゃんは走って温室を出て行った。
(P.138-148 Ch.5より)

可南子ちゃんは、購買部に押し寄せている生徒をかき分けて突き進み、迷ったら全部買っちゃうような(「涼風〜」)、あるいは、コントロールもお構いなしにコースを外しても追いつき修正し、スピードを緩めずに飛ばしまくるような(「レディ、GO!」)、攻撃するか、降参するか、無視するか(おそらく点を取らせて、次の攻撃ターンを待つ)しか、ガードの方法を持たない子です(「涼風〜」P.47の発言)。
(4)の場面では、彼女の性格や行動パターンを通りならば、あるいは祐巳に裏切られ逃げるだけなら、祥子を突き飛ばしても逃げ出す(攻撃的に)のではないかと思うのです。それが、動けなくなってしまった。
もう一つ面白いのは、祥子様の対応です。逃げ去ろうとする可南子ちゃんの前に立ち塞がり捕まえて「叱責」します。しかしこのときは、怒りにまかせ相手を攻撃するのではなく、むしろ真っ当なことを冷静にいい聞かせるような、諫めるように可南子ちゃんに諭しているようにも受け取れます。怒りよりも、じっくりと読んでいると、それだけではない悲しみのような何かがにじみ出しているようにも感じられてしまいます。
さらにその後、祥子はわざわざ身を寄せて、道を空け、逃げ道をつくり、そこから可南子ちゃんは出て行くことができました。そうでもしなければ、可南子ちゃんは一歩も動けない様子だったのかもしれません。もしかしたら、祥子様はこのとき、完全に追い込まれ身動きのとれなくなった可南子ちゃんを見て、「ここから出て行くこともできるわ」というような、全く別の方法を思わず示してしまったのかもしれない、そんなことを考えています。
可南子ちゃんはこのとき、「誰でもいいから、誰か助けて」という無言の叫びを、その表情に出してしまっていた可能性があると思っています。正当でない行動だとわかっていることを匂わせるかのように反撃もせず、降参しようにも許されるはずもなく、無視しようにも立ちふさがっていて、上級生であることもあってはじき飛ばすこともできない。すべてのカードが封じられてしまった。
このとき何が起こっていたのか、祐巳視点からは可南子ちゃんの表情はわかりません。祥子様の様子については「このように厳しい表情は未だかつて見たことがなく、また、怒りを抑えつけた声はどこまでも冷たかった」とありますが、これは祐巳の印象でしかない。
ただわかるのは、これ以降、特に「紅薔薇のつぼみの不在」以降、祥子様と可南子ちゃんの関係が深くなったというか、共鳴しているようにも感じられるのです。特に、父との関係について。まだ二人の口からは何も出てはいないのですが。

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「KURAU」の「リナクス」と粒子の対称・パートナー性

KURAUは「恋風」の後番として、ちょっと面白そうな絵と音楽のトレーラーが流れたので、第1話から見始めたのですが、クラウのかわいらしさ(作中22歳の今でもそのままの)にヤラれ、OPの新居昭乃にヤラれ、勝木ゆかり@S.E.N.Sの臆面もない音楽にヤラれ……そのまま見ている。
そんなときに、朝日新聞の科学欄に載った「超対称パートナー」の記事をみて、なるほどこれかと思わされてしまったのである。何か一つの性質だけが異なる対として、素粒子は生成するのに、この世界にはどちらか一つしか観測できないということは多い。その中の一つとして、「超対称パートナー」という、現在の標準理論をさらに進めた理論からその存在が予言される、素粒子のパートナーがある……ということのようだが、詳細はわからない。KEK(高エネルギー加速器研究機構)のサイトなどを参照していただきたい。
この世界、およびこの世界に生まれいずるすべてのものについてゆらぎが本質であるならば、あるものは不安定性に負けて消えていく。それが対となって生まれることもある。
何ともファンタジックな話である。それを人として登場させた、サイエンティフィック・ファンタジー(サイエンスフィクションではなく)として、「KURAU」は面白いと思うのだ。
クラウがいまだに気合いを入れるため(あるいは気分転換のため)に自分の両頬をたたくように押さえる癖、あれはリナクスに衝突してから誰かから教わったものだろうか。それとも、ただの女の子であったクラウと今のクラウが同じだからなのか。気になるところである。

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