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マリみて・「妹オーディション」の瞳子ちゃんのこと

 アクセス解析を始めてみました。ココログのを使うので有料なのですけどね。
 始めて見たらびっくり。ものすごいヒット数です。想像以上の多さです。このブログは始めてからもう半年くらい経つので、最初の頃は少なかったでしょうけれど、解析を見るたびに嬉しいやら責任感じるやら、複雑です。「早く書け!」とせっつかれているかのように…
とはいえ、本業の論文も書かなければなりません。もしかしたらそれがもうすぐ一段落するかもしれないのですけど、それでも他にも忙しいことはあり、なかなかこちらの内容が充実してくれません。それでも少しずつ書いていきますので、どうか気長におつきあいいただければと存じます。
 ちなみに、カウンターがないのは、ポリシーだとかではなくて、やり方がわからないだけだったりするのです。

以下、感想です。

 水を得た魚かもしれない可南子ちゃんに対して、一方の瞳子ちゃんです。ずいぶん追いつめられているようです。追いつめられたのか、自分で追いつめてしまっているのか、はっきりはしませんが、身動きがとれなくなってきてしまっています。周囲ともあまりうまく接することができなくなっているのを見ていると、「白い花びら」の頃の白チビ聖さまを彷彿とさせます。実際、似たような状況にあるでしょう。
 「マリみて」本編を通しても、「白い花びら」や「(特に祥子さまにおける)レイニーブルー」に匹敵する、最大級の危機が訪れていると見ていいでしょう。そして、それを解決する主役は、もちろん祐巳もいますが、それ以外のキャラクター、特に一年生たちの活躍が見られるのではないかと思っています。すでに乃梨子ちゃんは動き出していますし。

 案の定、瞳子ちゃんは「お茶会」には出ませんでした。それどころか、クラス内に不穏な空気が流れ始めていることを、乃梨子ちゃんが察知しています。
 かつては「銀杏の中の桜」で自分を取り巻いた、あの「嫌な感じ」が、さらにその濃度を増して、今度は瞳子ちゃんの周りにつき始めている。すでに瞳子ちゃんが孤立し始めており、そしてとうの瞳子ちゃんはあたかも「誰にも触れられたくない」かのようにそれを避けています。この部分が、「白い花びら」での蓉子と聖に重なって見えてきます。それと異なるのは、聖さまははっきりとした理由もなく周囲との違和感を表明していましたが、瞳子ちゃんの場合はその要因がどのような形であってもわずかながら現れていることにありましょう。これについては一つ一つあげていった方が面白いでしょう。

 蓉子と乃梨子ちゃんの共通点は、あることといえば、そのそつのなさや視点の柔軟さがあげられるでしょう。そして、状況として間違いなく共通していることは、彼女らが「根っからのリリアンっ子」ではないということです。蓉子は中学から、乃梨子ちゃんは高校からリリアンに入ってきています。その前は確か、共学です、二人とも。もしかすると、そのような「外部の視点」を持ち合わせて、というか、リリアンとは異なる背景をも持ち合わせている者であるからこそ、現段階で一年椿組に漂う「嫌な感じ」に敏感であるのかもしれません。
 もう一人の高校からの外部進学生、可南子ちゃんは、そのことを感じていながらも「我が道を行く」ことで、それらを振り切っているようになっておりました。

 瞳子ちゃんは、最初からリリアンにいながら、それでいてどこか居心地の悪さを抱えていたかもしれません。そのために、そこにいるための演技をするという彼女ならではの対処方法を採用した、ということかもしれません。その一方で、「私はここには相応しくない」という感覚…聖さまも抱いていた感覚…に、ずっとさいなまれ続けていた可能性も出てきました。
 聖さまは対処方法がわからず、誰とも深くつきあわず(協調性なく)日々をやり過ごしていました。そんな中で、心を許すことができると感じたただ一人の人が現れてしまい、そこにのめり込むことになったと考えられます。で、そのそばには実は蓉子や先々代白薔薇さまがいらっしゃった。その危機を乗り越えた後、彼女は「オヤジ女子高生」という方法を見つけ、今のところそれが功を奏して社会とうまくつながることができているようです。加東景さんとの出会い以降、またそれが形を変えている可能性も十分ありますね。
 瞳子ちゃんは最初から特徴的な「作った」キャラクターを前面に押し出す形で毎日をしのいでいたのかもしれません。つまり、「銀杏の中の桜」で見せたような、押しつけがましいほどのお節介であるとか、茶目っ気というのは、彼女が何とかリリアンで(この世で)生きていくための手段だった、ということです。ところが、それが崩れかかっている。このとき、かつての聖さま同様の、「私なんかいない方がいい」「誰も私に触れるな」という状況に陥っていったとしても、おかしくありません。どのあたりでその傾向がはっきりで始めたのかはわかりませんが、少なくとも、「特別~」においてはすでに彼女は孤立し始めているのではないでしょうか。もしかしたら「涼風~」でも、その萌芽はあるかもしれません。瞳子ちゃん、一人でミルクホールに行ってイチゴ牛乳買ってましたよね。たまたまかもしれませんが…その前は友達と一緒にミルクホールに行っていた。

 「銀杏の中の桜」の時期と比較すると、乃梨子ちゃんと瞳子ちゃんの立場が全く入れ替わってしまったような状態になっているように見えます。象徴的なのは、乃梨子ちゃんが勝手に瞳子の名前で茶話会の参加票を書いていたところです。
 周囲にとけ込めず孤立する誰かと、それに対して何とかしたいと願い、実際に迷惑なほど(わずらわしいと言われてしまうかもしれないような)お節介を焼く誰か、という関係が、そこにあります。
 4月では、瞳子ちゃんの過激なお節介を迷惑がりつつも、彼女にある種の信頼を置くようになった乃梨子ちゃんがいました。では、「オーディション」時点ではどうなのでしょう?それはまだ、全く予断を許しません。確かに、乃梨子ちゃんのお節介は、瞳子ちゃんには迷惑でありつつ、ありがたいものであり、また、嬉しいことではあったでしょう。ところが、瞳子ちゃん自身がこのとき何らかの理由で「私にはここに必要とされていない」「私はここから捨てられる」と思いこんでしまっていると、その行為や喜び、安堵はかえって瞳子ちゃんを乃梨子ちゃんからいよいよ遠ざけ、閉じこもっていくきっかけになってしまう可能性もあるのです。「ぼろぼろのゴミのようなものを拾っても、扱いに困るし、相手に迷惑なだけだ」と思っている可能性は高いです。
 
 若草物語では、そのような「手足も髪も失いぼろぼろになって捨てられたゴミ人形」を拾って、繕うこともなく、献身的に世話をしたのがベスでした。「ジョアナ」で、祐巳を思わず「人見知りしないベス」となぞらえてしまったことが、乃梨子ちゃんの「祐巳さまは、瞳子じゃなくてもいいと思う/でも、瞳子は」というせりふと重なってきます。

 いずれにしても、瞳子ちゃんの事態は正念場となっているのは、たぶん間違いないでしょう。瞳子ちゃんの複雑な部分を考える上で、一つ面白いところが「銀杏の中の桜」「BGN」で現れているので、そこから順に取り上げていこうと思います。
 すみません、「瞳子ちゃんの一人称」の話はその後になりますでしょう。

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