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マリみて・瞳子ちゃんの「ヤマアラシの針」

 人のような形を与えられた鉄塊を見てきました。ココログの一つのブログでその制作が伝えられ、「タタキツクルコト」という本になって出版もされた、あれです。
 それには「なんちゃって」ではない、確かな存在感がありました。それ自身がそれ自身をただそこに置かれているだけで語っていました。
 もとはと言えば、実際に鉄で作ることを想定していなかったであろう、別の目的でデザイナーによって作られたものを、これならば鉄で作ることができると感じた鍛冶屋が、鉄を焼いて叩いて曲げて切ってくっつけて作り上げてしまったもの…そのようなことを感じました。そこにただあって、その形をしていても存在感は浮いてしまうことなくひっそりとしていて、それでいて間違いなくそれ自身を淡々と、訥々(とつとつ)と語るものでした。

 もう一つイントロ。実は、今になって"DRAG-ON DRAGOON"(ドラッグオンドラグーン)をやっています。それもこれも、DOD2の発売を知ったからなのです。それを知ったとき、不意に、ちょっと書くのをはばかられるようなゲーム内容と不条理で救いようのない(かのような…プラス異性のきょうだいネタ2つ)ストーリーと、LPレコードの針が飛びまくっているような音楽を思い出し、やり直してみたんですよね。で、まあ、新作はスクウェア・エニックスの公式サイトで紹介されているのですが…主人公たちのプロフィールを見ると、前作よりもまあ壊れていないな、という感じだったのですが…サブキャラクターが…

ザンポ。(CAST:我集院達也)…(-_-;)

ヤハ。(CAST:ROLLY)…Σ( ̄□ ̄;)


ハンチ。…《(ToT)》


す、すさまじか〜…あいかわらずですな。流石というか。
…買います。やります。

 で。話がマリみてになりまして。瞳子ちゃんのことです。

瞳子ちゃんは、これまで「演技の仮面をかぶって素を見せない、見られたくない、出したくない」というような話の流れだったのですが、ちょっとこの流れだけではつかみきれないのではないか、と思うところがありまして、もう一度考え直してみました。
 もし、彼女の最も彼女らしい何かがあるならば、それはどこだろうか、ということです。それを、「銀杏の中の桜」での、彼女の行動にヒントを得て、そこから展開してみます。
 そのヒントというのが、乃梨子ちゃんに対して彼女が仕掛けたいくつかの「警告」です。警告は3つありました。

1) 乃梨子ちゃんの靴を下駄箱から持ち出し、出口のマットの所にそろえて置いておく。
2) 朝、乃梨子ちゃんの上履きに5cmもあるクリップを入れておく。
3) 乃梨子ちゃんの机に某国民的有名な猫型ロボットをチョークで描いておく。

 (3)に関しては、瞳子ちゃんの仕業とは直接描いてあるわけではないのですが、まあ間違いないでしょう。注目すべきは、乃梨子ちゃんがこれに対して抱いた感想です。

−乃梨子がされた行為というのは、どれをとってもどうにも中途半端すぎる。その行動を起こした人の心理が、まるで見えてこないのだ。(「チェリーブロッサム・銀杏〜」Pp.88)

 そう、それは明らかに嫌がらせの形を忠実にたどりつつ、相手を傷つけようとする意図を感じるのが難しい、むしろそれは避けたいという意図さえ感じるようなものになっています。ひねり出すとすれば、こんなメッセージを引き出すしかないのではないかと思うのです。

「いたずらするけど、あなたを傷つけたくはない」

 その後に大がかりないたずらが仕掛けられ、しかも乃梨子ちゃんはほとんどただ巻き込まれただけという損な役回りになってしまいます。ただし、その前に仕掛けられた3つの小さないたずらの持っているメッセージを重ねると、こんな意図があったかもしれないと感じるのです。

 瞳子ちゃんが乃梨子ちゃんや志摩子さんに謝罪したかどうかは描写がありません。あの乃梨子ちゃんが「あんたその前に謝れよっ!」と瞳子ちゃんに怒鳴ったわけで、おそらく謝るまで解放しなかったんじゃないかなどとは思えますが…それは副効用もあるかもしれません。乃梨子ちゃんに関して無責任な噂を立てたりしようものなら、本人の耳に入った場合間違いなくこてんぱんにされるということで。
 大事なのは、乃梨子ちゃんも志摩子さんも、そのことについて許しているようである、ということです。さらに踏み込めば、乃梨子ちゃんは「レイニーブルー」での瞳子ちゃんの態度と、その後祐巳に噛み付いた瞳子をかばってこんなことまで言っています。

−「〜先日は瞳子が不快にさせてしまったようで……、それも併せてすみません」/「あんな調子ですけど、根っこの部分はそんなに悪い子じゃないんです」(「パラソルをさして」Pp.112)

 それはともかく、瞳子ちゃんがどんな子なのかを考えるとき、これを基準にしてみるのがいいのかもしれない、という気がしてきたのです。

 瞳子ちゃんの「攻撃的」に見える部分は、実は彼女が後から身につけた、彼女自身の身を守るため、また、周りに人を必要以上に近づけさせないための「ヤマアラシの針」なのではないか…そして、もとより演技力はそこにも発揮されているのではないかということです。
 例えば、「ジョアナ」での「先輩A」に対しての態度や言葉は、彼女の「演技」のある種の特徴で、相手を寄せ付けない威力を発揮した一例なのではないか。

 もともとが繊細で、本人が傷つきやすい(少なくとも本人は自分が傷つきやすいと思っている)ために、自分に人を寄せ付けないための針を身にまとってしまい、それによって自分が誰かに近づくときにはその針をどうにかして相手に突き立てないようにしなければならない…といえばいいでしょうか。
 その意味で、前にも述べたとおり、瞳子ちゃんは白チビ聖さまと似ているところが多いのではないかな、という印象が強いのです。

 それをうまく受け止めるには、それこそ、先々代の白薔薇様のような方法が必要なのではないか、ということになりますが…先々代白薔薇様は、一体どんな子だったのでしょう?

 ややまとまりを欠きますが、今日はこのあたりまでにしておきます。
 今後少しずつ、具体的な部分を挙げつつわかりやすくしていこうかと思います。

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コメント

先々代白薔薇様…。この方の言葉だけは聖さまは素直に聞いていたんですよね。蓉子さまとは違って。

>一体どんな子だったのでしょう?
表には出ていないだけで中身は妹の聖さまにかなり似ていたのではないのかな?と私は考えています。
だからこそ、ああいう接し方にならざるを得なかったのではないか、と。

小説内での書かれ方が少ない方なのでほとんど推測の域を出ないのですが。

投稿: 此花 | 2005年5月 6日 (金) 00時28分

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