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新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。
本年もお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。

さて。
年末からこれまでの間に考えてきたことをいくつか、「マリみて」に絡めつつ書いていこうと思います。

★読解力・想像力
 表の顔の一つからの引き合わせで、編集者の方とお話しする機会がたまにあります。そのときに出た話では、本を出すに当たり現在最も頭を悩ませていることの一つに、読者の読解力の低下があるそうです。
 読解力を上げるには、本を読む機会を多くすること、文章に書かれている内容を吟味する方法を会得すること、想像力をつけることなど様々なことがあげられましょうが、この「想像力」の低下は著しいのではないかという危惧を持っています。
 想像力は日頃の生活でどれだけ周囲の出来事と自分の状態を観察し、把握し、吟味するかということによって練り上げられていきます。「感じる」とはそのようなことを指すのです。「相手の立場に立って考える」と簡単に言いますが、それはかなり高度なことです。その前に、自分の身の回りにある事柄を楽しんだり、じっくり観察することが基礎になるはずです。
 それができていれば、例えば、「クリスクロス」の「地図散歩」はかなり楽しめるものでありましょう。確かに目立ったことがありませんが、噛めば噛むほど玄妙な味わいが楽しめます。

 スルメイカの干物くらいは楽しめるような歯と顎は作っておきたいものです。

★「母」になるものは(註:高校程度の数学を用います)
 TVドラマ「14才の母」の最終回だけ見ました。このお話においても「胎盤早期剥離」を道具としたようですが……ネットで見た限り、果たして母子ともに無事、障害もなし、子宮摘出もなしという状況で収まるでしょうか……??ここはシビアにいってほしかったですね。新生児または母体の死亡、とまでは行かずとも、酸欠による脳障害が新生児に起こる、あるいは母胎の出血が止まらず子宮摘出といったこと。
 まあ、それはひとつのこと。もう一つ、殊に瞳子ちゃんのことを考えると、次のような言葉には大いに問題があります。

「この子のお母さん(になれるの)は、(この子を産んだ)あなただけ」

この台詞の対偶をとります。

「(この子を産んでいない)あなたは、この子のお母さんではない(にはなれない)」

これが真だとするならば、瞳子ちゃんとママは「娘と母」ではないということになります。
これが真といえるでしょうか。

柏木がこれ聞いたらどんなことになるかな?
彼がキレるのを止められるのは瞳子ちゃんくらいですよ?
その瞳子ちゃんですら、これを聞いて冷静でいられるかどうかわかりませんよ?

遺伝子を提供し、卵を提供し、子宮を提供し、命を危機にさらし、腹を痛め、産んだのは「生みの親」です。その意味で「生みの親」は「子」にとって独特な意味を持ちますが、ただそれだけのことといってもいいでしょう。
ただそれだけのことが「生みの親」にもたらす影響が大きいというだけのことです。
遺伝子の提供、あるいは身体の変化などの条件に限定するならば、この台詞は真です。
しかし、生活を営む上では、実質的に、対偶を真とするわけにはいきません。つまり、上記の台詞を真……常識とすることには巨大な問題があるのです。

これが真だとすると、母として子に接することができるのは、生みの母だけという誤解を生むことになります。
こんなことが常識と化していることが、どれだけ「母親」たちを孤立させ、重荷を負わせ、潰しているでしょうか。
幼くして生みの母を亡くした加東景さんには、「おかあさん」に当たる人はいなかったといえるでしょうか。
山辺氏と結婚したいと願う江利子さまは、山辺氏の娘の「母」には決してなれないというのでしょうか。

関わり方次第で、誰でも、自分以外の誰かにおける特殊な意味を持つ者になり得ます。それは「母」という役においても同じことがいえます。

「扉・鍵」を読んで、あるいは「仮面のアクトレス」を読めば、瞳子ちゃんとママは間違いなく母娘です。

 ある表現・伝達をするとき、条件を設定した上で逆・裏・対偶をとって、逆や裏が真なのか、対偶は成立するかなどのことは気にしておきたいものです。

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