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今更ながら 「クリスクロス」感想

ご無沙汰しておりました。
訳あって、またHNを変えようと考えている十六夜博師です。
なかなかキーボードに向かって長文を書く体制になれなかったのですが、ようやく余裕ができてきたようです。
年末年始というのはここまで身体と精神を疲弊させるものなのでしょうか……?

国立新美術館に行ってきました。「新日曜美術館」で話題になっていたことと、文化庁メディア芸術祭関連の展示「日本の表現力」があるということでしたので。
正直な話、「日本の表現力」には肩すかしを食いました。ただ並べてあるだけ、有名どころを呼んでいても展示の主張や一貫性が感じられなかったんです。美術というよりも博物館……いや……片付いていない部屋みたいな感じでした。
ただ、「源流」に関する展示は、ほんの一部ではありましたがそれでも迫力がありました。特に気を惹かれたのは「フィギュア」の源流として展示された「根付け」や「自在龍(鉄製の中国タイプの龍のモデルで、形が優美で精巧なだけでなく、足や首の各関節が可動で変形する、変形超合金の元祖のようなもの)」でした。
これを展示全体に生かせなかったのは残念です。

国立新美術館の建物に関しては、TVで見た限りではヘンな……中に入ったら目が回りそうな、と思ったのですが、実際に行ってみると非常に心地よい建物でありました。
いつかは、この建物の展示室すべてを使った大がかりな展覧会があること、そしてそれを見に行けることを願うものです。

枕はこのくらいにして……

さて、感想です。

読んでみて、まず「楽しかった」というのが第一印象でした。ここのところ瞳子ちゃんの周辺では重い物語が進んでおり、バレンタインイベントの「楽しさ」「お祭り気分」が少なかった分、今回はそれが前面に出る形になってよかったと感じております。

順を追いますと、まず、桂さんが久方ぶりに登場しました。小説本作での登場は確かに久しぶりのようですが、小説に描かれていない部分では交流があったのではないか、と想像させるものでありました。
高校時代で部活が違い、クラスも違ってしまうと、たとえそれなりに親しい生徒であってもなかなか会う機会も話す機会もなかったことを思い起こすのです。

P.21の祥子の挿絵(はにかんでいる祥子=萌え祥子)はヒットでした。加えて、祥子が祐巳にチョコレートを贈ったこと、そのチョコレートが幼稚園児代の思い出の品であることなど、ちょっとした感動がありました。
名前や顔を忘れてしまっていてチョコレートを憶えている、ということについて、現金だとかチョコレートに負けたとかいう話もありますが、それは記憶や思い出について考えが浅はかではないでしょうか。また、祥子はこの頃すでに「怪獣(by蓉子様)」になりかかっていたこともあり、「幼稚舎の頃のことはあまり覚えていない」「思い出話をするのは珍しいことだった」(p.24)とあることから、よくぞ憶えていたものだと思うのです。

「幼稚園で一緒だった子」が
「引っ越すとき」に
「お別れの日に」
「この」
「チョコレートをくれた」

おそらく、名前も顔も思い出せない「その子」が「お別れにくれた」「そのチョコレート」が、「ハンカチのお返し、お礼」であり、その前に「その子」がブランコから落ちてけがをしたとき、自分がハンカチを差し出した……ということは思い出とはなっていない、ということなのでしょう。だから、「お別れの日に」「くれた」ことになってる。
その前に親しかったのであれば、

『友達』がくれた「チョコレート」

ですが、当時の祥子は誰とも親しくなかったわけですから、順序が逆になります。

「引っ越すとき」に
「お別れの日に」
「この」
「チョコレートをくれた」

幼稚園で一緒だった子がいる。

ということです。

祥子にとってはそのイベントこそ、そのこと親しくなったという唯一無二だった。
その時はじめて、「その子」のことを「識った」でしょう。
ところが、彼女はその日に引っ越してどこかに行ってしまった。
祥子にとっては、結構(かなり?)寂しい思いをしたかもしれませんし、悔いが残ったのかもしれません。
そのときから、あの子はどんな子だったのか、名前は何だったか、顔はどんなだったか……と、それをきちんと見よう、知ろうとしても、遠く離れてしまってはできない相談です。だからこそ、祥子はチョコレートの包み紙を大事に、アイロンまでかけてとっておいたのでしょうし、時折食べては思い出すということを繰り返していたのではないでしょうか。

なぜこんなことまで懇切丁寧に解説しなければならないのやら……

ともかく。

ここのところ急に現2年生(祐巳・由乃・志摩子)が「超人」の片鱗を見せ始めた気がします。
乃梨子ちゃんがいいように転がされちゃってます。のりころがし。
早いところ他の下級生が薔薇の館に来ないと、転がされるのが乃梨子ちゃんだけになってしまいます。
まあ、瞳子ちゃんの「申し出」があったことから、事態がこそこそと動き出すのでしょうが……
気になるのは社会科準備室を出てから薔薇の館に現れるまで、瞳子ちゃんが(10分くらいの間に)どこにいて、何が起きたのか、ということです。
祐巳と瞳子がスールになるかどうか、そんなことはもはや些細なことです。瞳子ちゃんの抱える巨大な課題、それに立ち向かわなければならない(だろう)祐巳、瞳子、柏木、その支えになるだろう乃梨子、可南子ちゃん。こういったところがこれからどう動くのか……

書き始めると長くなるようです。
ちさとさんのこととか、「地図散歩」のこととか、まだまだあるのですが、今回はとりあえずこのあたりで。

まさか祥子の思い出だけで筆が走るとは思いもよらなんだ……

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