杉浦日向子原作・原恵一監督アニメ映画「百日紅」感想。

公開初日5月9日、アニメ映画「百日紅」を見に行きました。

そうです。これは「映画」ではなく、「アニメ映画」です。アニメでしかできない表現を、江戸時代の浮世絵と合わせようとして、まあ、少し違和感はあるのだけれど、それを目指しました、それでいくつかのことが出来ました、そしてそれは今の日本の現実とつながっています……という、アニメの作り手の思いが伝わってきます。
「面白かった?つまらなかった?」 さあ……?
「感動した?」 「絵と動きにね。」
「じゃあどんな感想を持ったの?」 「お猶が可愛かった。」
そう、お猶が可愛く描かれていたのだ。これが原作と大きく異なる点であり、難しい感想を求められる点の一つだと思う。
「それだけ?」
いや、それだけではない。杉浦日向子の原作を読んでいると、作り手の思いがさらに伝わってくる。「あの作品を、事もあろうにアニメにするとは、自分たちは無謀な挑戦をしたものだ。しかし、作りたい。あの作品に劣らない作品を作りたい」という感じかな。 すると、主な感想はこうなる。
「へぇー」「へぇー」「へぇー」
後で思い起こしてみると、「勉強をした!」という感想が一番自分の思いに近いのだ。

そして、「あともう一度は見なおしてみなければ、なにか書くのは難しい」と思った。しかし新鮮なうちに書いておかなければならないこともあると思うので、とりあえず書いてみることにした。

ネタバレOKな方は続きをどうぞ。

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「異国迷路のクロワーゼ The Animation」総評

日本人の女の子、湯音がパリの街にやってきて触れる様々な物語、というのがこの物語の全体像といえるだろう。その中で、主人に当たるクロードやオスカー、日本に憧れるアリストの交流が描かれ、その交流の中で触れる様々な出来事二同心を動かされていくか、という物語である。
 

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「受け」の能動的機能:「げんしけん」笹・荻

 「げんしけん」単行本第6巻で、荻上さんが「笹×斑」で「軽くワープ」するところがあるんですが、なぜか何となくわかってしまうんですよね、これが!これってどうよ……とか思うんです。わかったつもりになっているだけかもしれないし?

 で、もし、「わかってしまう」ということが珍しいことでもないとなれば、いや、そうでなくても、「攻め」「受け」の分類およびその細分化というのは、アンダーグラウンドではあっても心理学の行動の傾向分類に匹敵するかもしれないとか思ってしまいます。案外合理的に説明できる気がしてしまいまして。そこから、妄想するのか、議論をたてるのかの違いだけで。例えば、「攻め」を「能動的立場」、「受け」を「受動的立場」とし、さらにそれぞれを「積極的行動」「消極的行動」の2つの傾向があるものとすれば、これでチャートを作ることができます。それぞれの極として、「能動的立場・積極的行動」「能動的立場・消極的行動」「受動的立場・積極的行動」「受動的立場・消極的行動」があると。「強気攻め」はもちろん「能動的立場・積極的行動」、「流され受け」は「受動的立場・消極的行動」、で、たぶん「ヘタレ責め」は「能動的立場・消極的行動」で「誘い受け」は「受動的立場・積極的行動」……と言うか? いや、たぶん違うんでしょうけど……

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荻上さんの障害:げんしけん・笹原と荻上

*この記事は、すでに無くなってしまった別のブログにあった記事を再掲するものです。

 荻上さんが(ごく)軽度の(心的)外傷性ストレス障害(PTSD)の可能性がある、ということを述べました。その根拠となることは、最新の連載第45話「夢酔い」でほぼ出そろったというところですが、いずれにしても専門家でないものの判断なので、話半分で聞いて(読んで)いただければと思います。

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げんしけん:斑目/咲の緊張関係

*本記事はすでに無くなってしまったブログに掲載されていたログを、再掲するものです。

今回は笹・荻の話ではなく、斑目/咲の話です。

この二人の関係はなかなか面白いと思っています。良い影響を知らぬうちに与え合っているような緊張関係にあるようにも思えるのです。また、咲さんがコーサカと別れないでずっと一緒にいるのも、実は斑目が関わっているのではないか、そんな気がします。


どういうことかというと……

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「げんしけん」第46話「戻り橋」での「橋」と笹原、荻上さんについて

*このログはすでに無くなってしまった別ブログに掲載されていたものを、再掲したものです。

……


ふ〜〜〜〜


……


う──ん……


ここが大事よ、笹原、荻上さん。本当に、あともう一歩だけ。


講談社「アフタヌーン」3月号収載「げんしけん」第46話「戻り橋」読みました。

ある意味では良い方に、別の意味ではよくない方に予想が当たりました。

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3A07の批判的批評と反駁による批評の試み ーITメディアGamezの記事を受けて

先日日記で紹介した、ほぼ自主制作3DCGアニメーション、「3A07」が、ITメディアGamezの「日々是遊技」で紹介され、その記事がmixiニュースにも転載されていました。

制作期間1年以上! 「アイマスMAD」の常識を覆した動画「3A07」がスゴい

この動画のことです。
初見の方は是非コメントを表示させずに視聴することをお勧めします。
また、ネット上で多くに紹介されたため、コメントが荒らされています。このことにはご注意ください。

 何人かの方からツッコミが入っていることとして、「全てが一から作られた3DCG」という記述です。実際には、ゲーム本編のPVは利用されている部分があります。
 もう一つ、「制作期間1年以上」というのは、モデリングが1年以上前からこの動画を目的とせずに作成されていたことを含めた話で、実際のこの作品の合作としての制作期間は半年です。ただ、ニコニコ大百科の記事の方には「半年だけで3DCGモデリングも全てやっていたということではないよ」という意味を含めて、「一年以上かけて作成された3DCGモデルによるアニメーション」という表現になっています。このことについては制作者の一人、セバスチャンP氏のブログのこの記事で詳しく述べられています。
 ニコニコ大百科記事に加筆しなければならんと思っているんですが、根拠が薄いのと、本編が二次創作なので、記事の写真こそ「(C)窪岡俊之 (C)2003-2008 NBGI」の記述がありますが、著作権の問題は実際のところクリアできているわけではない……というところから、具体的な記述をすべきなのかどうかもよくわかってないところです。

 一方で、二次創作動画であるところの「3A07」の記事の写真を、「3A07」のキャプチャー画像から一枚抜き出して、それに対して「(C)窪岡俊之 (C)2003-2008 NBGI」が付いてしまうことがちょっと面白いというか、軽く驚いてます。間接的ではありますが、二次創作の制作元、それも相応に大きな企業が一介の、しかも二次創作の動画の記事に対して許可を出しているあたりが、「アイドルマスター」ならではのようにも思います。
 まあ、ひとつ言えることは、この動画がこれだけの内容でありながら「非営利目的」で作られていることが、この問題をある程度クリアしやすくなっている一因でもあるか、と思います。別の側面からいえば、販促にもなっているという点も勘案されているのでしょうか。

 で、ただ賞賛の嵐だけでは生産的でないので、ここは揶揄ともやっかみともとれるコメントを頼りに、この作品を批判的に評価し、それに対して反駁することで、建設的な批評をしてみようと思います。

 ネタバレを含みますので、本作未見の方はご注意を。

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アマチュア3DCGアニメーション作家の技術力とアニメーション学科系を持つ大学の教育力

こちらの動画をご覧ください。ナムコ(現バンダイナムコゲームス)製作のアイドル育成シミュレーションゲーム「アイドルマスター」シリーズの、二次創作です。
XSI essential 6.5(現Autodesk softimage)で、本家のCGを参照しながらゼロから作り上げられた3DCGモデルを使い、Adobe Affter Effect CS4を用いて画面効果を加えて作成された、言わば同人フル3DCGアニメーションです。3人の制作者による合作です。

(コメントが荒らされていることがあり、また、作品のネタバレが最初のコメントでなされてしまうなどのエチケットに反するコメントもあるため、最初はコメントを表示できないようにしてご覧いただくことをお勧めします)

【ニコニコ動画】【アイドルマスター】3A07 ~Memories are here~

制作方法からみても、すでに「MADフィルム」とは言えないものになっています。
目を見張るのは、この時間的・空間的構成力、演技力(モーション付け)、効果、音響、シナリオどれをとってもかなり高水準であることです。シナリオの内容としては、よく言えば「王道」、悪く言えば「ベタ」で「ありがち」ですが、これを「王道」と認めてしまうほどの画面の魅力があるのではないでしょうか。

もう一つ注目すべきは、これらは基本的にアマチュア(のはず)によって制作されたものである、ということです。
彼らは独学で時間的・空間的構成、色彩設計をXSIやAAEで学び、実現しています。このレベルのアニメーションを、複数人のグループで合作し、ここまでのクオリティに仕上げることは、大学でアニメーションを専攻している学生でも困難でしょう。個人制作であれば自分一人ですべてをコントロールすることができる分、質を安定させることができますが、合作となると連携が重要になってくるため、そこがうまくいかないと質が落ちる危険性もあります。

こういう作品がアマチュアによって作成され、無料で動画投稿サイトなどに公開されるという事態を見ると、考え込んでしまいます。
大学でアニメーション科を設置し、そこでアニメーション作家を養成すること、アニメーションに関する専門教育を行うことには、果たしてどのような意味があるのか、ということです。
わざわざ高い学費を支払って高等教育でアニメーションを専修しても、下手するとこのレベルには追いつけません。

こういう作品を突きつけられると、「大学でアニメーションを専攻する・専攻を持つ」ということについて、今一度十分に検討しなければならないと考えるのです。

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「薔薇の花かんむり」感想(漸く)

大変ご無沙汰しております。

「薔薇の花かんむり」の感想でございます。
いまさらネタバレ進行というのも何ですが、まあいちおう「続き」でごらんください。

これから先も更新や返信が滞りがちになるかと思います。申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。

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感謝多謝;リリアンフェスティバル

リリアンフェスティバルから無事帰還いたしました。
新刊も間に合って、考察の類としては(マリみてオンリーではすごく珍しいジャンルのようですが)多くの方にご購入いただきました。
この場を借りて、お礼申し上げます。

中には、開場してまもなく、まっすぐにこちらのスペースにやってきて買ってくださる方もおり、嬉しい限りでございました。

新刊にはブログ未掲載の文章も含まれております。順次掲示していきますのでよろしくお願いいたします。

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